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12月06日-02号

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  1. 奈良県議会 2022-12-06
    12月06日-02号


    取得元: 奈良県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年 12月 定例会(第352回)令和4年12月         第352回定例奈良県議会会議録 第2号             令和4年12月6日(火曜日)午後1時1分開議   --------------------------------    出席議員(38名)      1番 小村尚己        3番 植村佳史      4番 浦西敦史        5番 山中益敏      6番 亀甲義明        7番 小林 誠      8番 階戸幸一        9番 川口延良     10番 疋田進一       11番 池田慎久     12番 乾 浩之       13番 大国正博     14番 太田 敦       15番 佐藤光紀     16番 清水 勉       18番 西川 均     19番 阪口 保       20番 井岡正徳     21番 田中惟允       22番 中野雅史     23番 山本進章       24番 奥山博康     25番 小林照代       26番 山村幸穂     27番 尾崎充典       28番 藤野良次     29番 和田恵治       30番 荻田義雄     31番  欠員        32番  欠員     33番 米田忠則       34番 出口武男     35番 岩田国夫       36番 小泉米造     37番 今井光子       38番 森山賀文     39番 田尻 匠       40番 粒谷友示     41番 秋本登志嗣      43番 川口正志    欠席議員(3名)      2番 樋口清士       17番 松本宗弘     42番 中村 昭   --------------------------------    議事日程 一、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰等伝達式 一、当局に対する代表質問   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。   --------------------------------全国都道府県議会議長会自治功労者表彰等伝達式 ○議長(岩田国夫) 初めに、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰及び総務大臣感謝状伝達式を行います。 ◎事務局次長(河合正都) 35年以上在職議員として、米田忠則議員、中村昭議員が全国都道府県議会議長会から表彰を、また地方自治功労により総務大臣感謝状を受けられました。 以上、2名を代表されまして、米田忠則議員、どうぞ前へお進みください。 全国都道府県議会議長会表彰の伝達があります。     (議長岩田国夫、被表彰者代表米田忠則議員に表彰状朗読)          表彰状                              米田忠則殿 あなたは奈良県議会議員として在職35年以上に及び地方自治の発展に努力された功績はまことに顕著であります。 よって、ここにその功労をたたえ表彰します。     令和4年10月25日                        全国都道府県議会議長会     (表彰状及び記念品伝達、拍手おこる) ◎事務局次長(河合正都) 続きまして、総務大臣感謝状の伝達があります。     (議長岩田国夫、被表彰者代表米田忠則議員に感謝状朗読)          感謝状                          奈良県 米田忠則殿 あなたは35年以上の永きにわたり県議会議員として地方自治の振興発展に寄与され住民福祉の向上に尽くされた功績はまことに顕著であります。 よって、ここに深く感謝の意を表します。     令和4年10月24日                          総務大臣 寺田 稔     (感謝状及び記念品伝達、拍手おこる) ◎事務局次長(河合正都) 次に、20年以上在職議員として全国都道府県議会議長会から表彰を受けられました井岡正徳議員、15年以上在職議員として表彰を受けられました藤野良次議員、以上2名を代表されまして、井岡正徳議員、どうぞ前へお進みください。 全国都道府県議会議長会表彰の伝達があります。     (議長岩田国夫、被表彰者代表井岡正徳議員に表彰状朗読)          表彰状                              井岡正徳殿 あなたは奈良県議会議員として在職20年以上に及び地方自治の発展に努力された功績はまことに顕著であります。 よって、ここにその功労をたたえ表彰します。     令和4年10月25日                        全国都道府県議会議長会     (表彰状及び記念品伝達、拍手おこる) ◎事務局次長(河合正都) ご着席ください。 次に、知事の祝辞があります。 受賞者は、ご起立願います。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)一言ご祝辞を申し上げさせていただきます。 このたび、自治功労者として、米田忠則議員、中村昭議員が総務大臣から感謝状をお受けになられました。また、米田忠則議員、中村昭議員、井岡正徳議員藤野良次議員全国都道府県議会議長会から表彰をお受けになりました。誠におめでとうございます。 4名の議員各位におかれましては、各地域の皆様からのご信任のもと、多年にわたり奈良県議会議員として県勢発展のために尽くしてこられました。 お一人お一人のご経歴、ご業績などにつきましては省略をさせていただきますが、各議員におかれましては、議長、副議長、常任委員会及び特別委員会の委員長、また監査委員をお務めになるなど、県政のため今日までそれぞれ大きなご尽力いただきました。誠にありがとうございました。 どうか今後とも健康にご留意され、引き続き、奈良県勢発展のためご活躍いただきますようご期待申し上げまして、簡単ではございますが、私の祝辞とさせていただきます。 このたびは誠におめでとうございました。 ◎事務局次長(河合正都) ご着席ください。 次に、受賞者を代表されまして、米田忠則議員より謝辞があります。 受賞者は、ご起立願います。 ◆33番(米田忠則) (登壇)このたび、表彰の栄に浴しました4名を代表いたしまして、皆様方に一言御礼の言葉を申し上げます。 今回の受賞は県民の皆様方から私どもにいただきました長年にわたるご支援は申すまでもなく、同僚議員並びに関係各位のご指導のたまものと深く感謝を申し上げます。 我々議員は、県民の皆様方の願いや思いを県政に反映させるとともに、奈良県の特性を生かし、議員活動を通じて奈良県の発展のために積極的に取り組むことが使命と考えているところです。 私たちは、この受賞を契機に県勢のさらなる発展のために、微力ながら一層の努力をいたし、県民の負託に応えていく覚悟でございます。 終わりに、皆様方におかれましては、今後一層のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、誠に簡単、粗辞ではございますが、御礼の言葉にかえさせていただきます。 本日は誠にありがとうございました。(拍手) ◎事務局次長(河合正都) ご着席ください。 ○議長(岩田国夫) これをもちまして、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰及び総務大臣感謝状伝達式を終わります。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) ただいまより当局に対する代表質問を行います。 順位に従い、30番荻田義雄議員に発言を許します。--30番荻田義雄議員。(拍手) ◆30番(荻田義雄) (登壇)ただいま議長よりご指名をいただきました、自民党連合・創生を代表して知事に対し、質問を申し上げたいと、このように思います。 その前に、今日未明、ワールドカップ杯日本クロアチア戦、大変厳しい厳しい戦いでございました。選手は、あるいはスタッフは、この日のために4年間いろいろな角度から挑戦をし、1対1という引き分け、しかし、前に進むにはPK戦、これがあったわけでございますが、くしくも惜敗をしたと、ただただ国民に与えていただいた印象は元気をいただいた、また子どもたちにも勇気と、そしてサッカー少年、また、ああいった選手になりたいという思いを希望を与えていただいた大会であったと、このように思うところでございます。 そして、今、私は7月8日午前11時32分、大和西大寺駅北口での参議院議員候補を応援のため、安倍元首相が街頭演説会に来県され、演説中に背後から銃撃され、私の目の前で演壇から左足を地につけ倒れられ、直接搬送先の県立医科大学で全力で医師スタッフの救命措置が施され、私たちにとって回復を願う痛切な祈りむなしく帰らぬ人となられました。改めて悲しく、ただただ残念無念、冥福をお祈り申し上げる次第でございます。 また、この性急な演説会において、前警察本部長が警備の不備を認められ、辞任退職となられました。 そして、この7月8日の演説会は、自民党奈良県連並びに選挙対策本部が党本部に応援依頼をしたこともなく、某参議院議員たちによって要請されたことを改めてご報告を申し上げます。 なお、この事案について、自民党奈良県連から党本部に対し、応援弁士の要請の在り方とともに性急な街頭演説会、2~3日前に決定されることを強く要請いたしました。 それでは、質問に入ります。 まず、今後の奈良県政の運営について、知事にお伺いしたいと存じます。 荒井知事は、就任以来4期15年余にわたりまして、県政の諸課題に全力で取り組まれ、着実に、そして目に見える形で成果を上げてこられました。 これまでの実績を振り返ってみますと、まずは、就任直後に発生いたしました妊婦搬送事案を機に取り組まれた医療体制の充実であります。 奈良県総合医療センター、これまでの実績を振り返ってみますと、今、申し上げましたように、就任直後に発生した妊産婦搬送事案を機に取り組まれた医療体制の充実でありますが、奈良県総合医療センター南奈良総合医療センターの開設、県立医科大学附属病院の整備などにより、救急搬送の時間の短縮、周産期の母体や新生児の県外搬送を大幅に減少させるなど、大きな成果を上げられ、県民の医療に対する信頼は大きく回復したと思います。 また、2期目の平成23年に発生した紀伊半島の大水害では、知事が先頭に立って復旧・復興に取り組まれ、道路などの早期復旧や応急仮設住宅の建設、そして、復旧後の南部・東部地域の振興に尽くされてきました。 さらに、奈良県にとって最も重要な課題の1つである脱ベッドタウンには、特に力を入れて取り組まれてきました。その結果、企業誘致が進み、企業有効求人倍率は近畿で1位が続くなど、その成果が上がってきました。 このほか、京奈和自動車道などの道路整備、奈良県コンベンションセンターやなら歴史芸術文化村、NAFICのオープン、上質なホテルの誘致など、様々な分野で成果が見られています。 さて、ここまで荒井知事の実績を私なりに振り返ってみましたが、リニア中央新幹線、大規模広域防災拠点大和平野中央田園都市構想など、奈良県の将来にとって大事なプロジェクトがめじろ押しとなっています。 また、人口減少や新型コロナウイルス感染症対応、デジタル化などの全国共通の多様な課題も山積しており、高度なかじ取りが求められています。 そこで、知事にお伺いいたします。 今後の県政運営について、これまでの取組を振り返るとともに、来春の知事選挙への対応を含めて、どのように、今、考えておられるのかお聞かせください。 次に、新型コロナウイルス感染症の拡大及びその影響への対応について、知事にお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症との戦いは3年近くの長期にわたっています。これまで本県においては、26万人以上の方が感染され、600名を超える方が亡くなっておられます。ご遺族の方々にはここに謹んでお悔やみを申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。 県では、ウイルスの特性を踏まえた感染防止対策と、安心できる医療提供体制の維持に注力されてまいりました。特に第6波以降、オミクロン株の特性に合わせた対策を実行されてきました。 オミクロン株のBA・5系統は、感染力は強いものの、重症者の発生割合が低くなると言われています。ただし、県内で新たにBQ・1・1系統が確認されるなど、新型コロナウイルス感染症とは今後も付き合い続けなくてはならないと言えます。 しかし、この3年で対策も変化しています。一例として、現在では、高齢者施設で感染が判明した場合などに、濃厚接触者の特定範囲が絞られています。 現在の感染状況を見ますと、第8波の入り口にあるとされ、新規感染者が高い水準にあります。引き続き、感染拡大防止と感染者に対する必要な治療等の提供に全力で取り組んでいただきたいと存じます。 一方、3年近く続くコロナ禍の影響により、県の経済は疲弊している状況にあります。一日も早い経済の立て直しも急務であります。 そこで、知事にお伺いをいたします。 こうした状況の中で、新型コロナウイルス感染症の第8波への対策と、経済・地域の活性化に向けた対策を両面で進めていく必要があると考えますが、県では今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 次に、大規模広域防災拠点について知事に伺います。 これまで県が五條市で検討を進めてこられた大規模広域防災拠点は、県内への迅速な応急対策が効果的に行えることはもとより、津波による大きな被害が想定される紀伊半島沿岸地域への救援も可能となる拠点であり、早期実現を願うものであります。 現代社会において、広域防災拠点の重要性、必要性は非常に高いものと私も考えています。 平成7年の阪神・淡路大震災の教訓から設置いたしました、兵庫県三木全県広域防災拠点は、災害時には兵庫県の広域防災ネットワークの中核として県全域をカバーする総合的な防災機能を持ちつつ、平時は防災人材の育成やスポーツ、レクリエーション拠点として機能する施設であり、私も平成22年に地域の自主防災・防犯会、クラブの皆さんとともに視察をさせていただきましたが、兵庫県は立派な施設をつくられたと思っていました。 一方で、奈良県で進めておられる大規模広域防災拠点は、固定翼機の運用を視野に入れた2,000メートル級滑走路を有する上に、平常時から防災に特化した拠点として計画されており、ふだんから様々な訓練を現地で行うことで、発災時には速やかな運用が期待できることから、このような防災拠点ができることは、奈良県民のみならず、国民への災害に対する安全性の確保に大いに寄与するものと考えます。 私自身、これまで災害に対しては強い思いを持ちながら、国に対して被災箇所への支援要望や、紀伊半島3県議会交流会議において、防災の取組の重要性を伝えるなどの活動をしてまいりました。特に令和3年9月には、自民党奈良県支部連合会の幹事長として、当時の内閣総理大臣とのリモート会談を行い、奈良県大規模広域防災拠点の重要性を訴えるとともに、国計画の5か所の大規模な広域防災拠点に加えていただくことや、拠点整備への財政措置をお願いしたわけでございます。 奈良県大規模広域防災拠点は一日も早い完成が必要と考えています。 そこで、知事にお伺いをいたします。 奈良県大規模広域防災拠点について、先般多くの来賓を招いて、事業開始式が開催されましたが、今後、どのように事業を進めていかれるのか、お聞かせください。 次に、奈良市八条・大安寺周辺地区について、知事に伺います。 八条・大安寺周辺地区は、世界遺産・古都奈良の文化財の中央に位置し、県内で唯一の高速道路と鉄道の交通結節点となる非常にポテンシャルの高い地区であります。 平成29年6月には、そのポテンシャルを生かしたまちづくりのための基本構想を策定され、その実現に向けた検討が進められていると承知をしています。 この地区について、国が京奈和自動車道大和北道路、(仮称)奈良インターチェンジの整備、県が西九条佐保線、JR関西本線の鉄道高架化と新駅設置、大安寺柏木線の整備を進めています。 また、奈良市では、新駅西口駅前広場六条奈良阪線の整備を進めており、これに加えて大安寺南側の市道や県が整備している西九条佐保線を南側に延伸する整備も進められています。 これらの整備が進みますと、近鉄新大宮駅付近からイオンモール大和郡山付近までを結ぶ南北の道路と、県道木津横田線から国道24号までを結ぶ東西の道路が通ずることになります。 このようなインフラ整備が具現化していくことにより、高い交通結節機能を有することとなるこの地区には、奈良県の新たな玄関口としてふさわしく、地域の活性化にもつながるまちづくりを進めることが期待されます。 この地区のまちづくりについて、荒井知事は平成30年、最先端の情報技術を活用した都市サービスを提供するAIタウンを目指すとのビジョンを示され、関係者と設置した有識者会議などの場を通じ、そのコンセプトについて議論を進めてこられたと承知しています。 そこで知事にお伺いいたします。 八条・大安寺周辺地区のまちづくり、特に県が目指す最先端の情報技術を活用したまちづくりの実現のため、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 次に、県立医科大学キャンパス等の整備について、知事にお伺いいたします。 知事は就任以来、県民の命と健康を守るため、県の医療提供体制の充実に向け、熱心に取り組んでこられました。 まず県北部では、平成30年に奈良県総合医療センターが移転オープンし、救急医療や周産期医療、がん医療などの高度医療の充実が図られました。 県南部では、南和広域医療企業団として3つの公立病院が再編され、平成28年に完成した南奈良総合医療センターを中心に、急性期から慢性期までの医療体制が整いました。 そして、県中和地域には奈良県立医科大学があります。県立医科大学は県内唯一の医育機関であるとともに、附属病院は県内唯一の特定機能病院であり、1日2,000人を超える外来患者が来院されるなど、県の医療の中枢として役割を担っていただいています。 最近では、平成28年に主に最先端のがん治療や周産期医療を担うE病棟ができ、平成30年には附属病院の屋上にヘリポートが整備され、県立系の3病院によるドクターヘリの運航体制が整い、県の救急医療体制は飛躍的に充実いたしました。 また、昨今のコロナ禍において、県民の最終ディフェンスラインとして、特に中等症、重症患者を中心に受け入れていただいています。 このように県の医療の中核を担う県立医科大学ですが、老朽化の進んだ建物が多く、学生数の増加、大学機能の多様化による講座数や診療科の増加などにより施設が狭隘となっています。 学生にとって学びやすく、患者にとって安全で安心な医療を提供できる施設であることは当然ですが、併せて日々、研究・教育など多岐にわたる業務に大変熱心に取り組んでいただいている教職員の皆様の意欲向上のためにも、働きやすく魅力ある環境を整備することは、長年の課題となっていました。 このような中、県立医科大学の教育・研究部門を移転する新キャンパスの先行整備が進められることになりました。学生や教職員にとって最高の学びの場となる、よいキャンパスにしていただきたいと願っています。 そこで、知事に伺います。 県と県立医科大学において取り組まれている新キャンパス移転整備の現在の進捗状況と、今後の整備方針についてお聞かせください。 次に、中央卸売市場の再整備について、知事に伺います。 奈良県中央卸売市場は、開場より45年が経過しており、施設の老朽化が進んでいます。そうした中、県では、市場エリアとにぎわいエリアを一体的に整備することを基本的な考え方とした奈良県中央卸売市場再整備の基本方針を策定されるなど、市場の再整備を着実に推進しておられます。 ところで、この45年間の農水産物や食品の流通環境は大きく変化いたしています。スーパーや加工メーカーなどの大口需要者による産地からの直接仕入れの増加や、直売所の隆盛、インターネット取引の増加などにより、卸売市場を経由する割合は減少してきています。 市場を経由する商品の総量が減少することで、市場間競争も激化しており、今後も産地から良質な商品をいかに確保して、消費者に届けていくのか大きな課題となると考えます。 さらに、市場を取り巻く環境の大きな変化として、2024年度から、自動車運転業務の時間外労働に年960時間の上限規制が適用されることが挙げられます。この規制により、トラック運転手の働き方は大きく変わることになりますが、これに伴い、物流業界での輸送の在り方も大きく変化し、物の流れをいかに効率的なものとするかが問われる時代が到来いたします。そして、この影響は市場にも当然に及んでくることとなります。 奈良県は、東京、名古屋、大阪、福岡といった大都市を東西に結ぶ幹線のほぼ中心に位置し、また、奈良県中央卸売市場はその幹線の一部である西名阪自動車道郡山インターチェンジからすぐにアクセスできる場所にあります。さらに今後、南北方向では京奈和自動車道が開通し、京都、和歌山と結ばれることとなれば、立地の優位性はますます高まることでしょう。この立地を生かし、物流業界における、いわゆる2024年問題を、逆に市場再整備における好機と捉えてはいかがでしょうか。 そこで、知事にお伺いいたします。 こうした近年の市場間競争の激化や、今後の物流面での大きな変化に対し、市場再整備について、どのように対応しようとしておられるのか、お聞かせください。 次に、史跡太安萬侶墓の整備について、文化・教育・くらし創造部長にお伺いいたします。 奈良市東部の茶畑が広がる風光明媚な此瀬町に、史跡太安萬侶墓がございます。 太安萬侶墓が発見され、保存されることになったのは、地元の今は亡き竹西英夫さんの功績によるところが大きいと考えております。発掘調査で墓誌が発見され、これによって墓の主が古事記編さん者として著名な太安萬侶と判明したことが、非常に画期的なことでありました。平城宮跡の木簡が、近年、国宝に指定されたと聞いておりますが、私はこの太安萬侶の墓誌こそ、国宝級の発見だと考えております。 さて、昭和54年に発見されたこの太安萬侶墓は、早くも昭和55年には国史跡に指定され、その翌年から整備事業が行われ、現在の姿となっております。 地元自治会では、これまで、墓の維持管理を県から委託され、草刈りや清掃、見守りなどの実施をしてこられました。暑い時期も寒い時期もかかわりなく、維持管理を続けられていることに本当に頭の下がる思いでもあります。 太安萬侶墓は山の斜面につくられております。近年、維持管理作業を行う地元の方々も高齢となり、急勾配の園路を通っての作業が大きな負担となっています。また、園路の整備から約40年が経過し、観光客の安全面への懸念も年々増しているところであります。 このことについては、地元の田原地区自治連合会と此瀬町自治会から、対策について度々要望がございました。私もご相談に乗らせていただいています。本年度からの再整備のため、有識者と此瀬町の代表からなる整備検討委員会を立ち上げたと聞き、私も喜んでいるところであります。整備にあたっては文化庁の補助金をしっかり確保していただき、一刻も早い事業展開を行っていただきたいと存じます。 そこで、文化・教育・くらし創造部長にお伺いをいたします。 奈良市東部地域における重要な歴史的資産である太安萬侶墓の整備について、現在の取組状況と今後の方針をお聞かせください。 最後に、名阪国道における休憩施設について、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。 県東部地域の主要幹線道路である名阪国道は、西名阪自動車道東名阪自動車道伊勢自動車道と直結しており、多くのトラックやバス、乗用車が通行し、長距離を移動する交通が多いことから、ドライバーが安心して自由に立ち寄れる休憩施設が必要不可欠であります。 名阪国道には、これまで大型車も十分休憩できるドライブインが要所、要所にあり、休憩施設の環境は整っていたわけでありますが、新型コロナウイルス感染症の移動自粛の影響もあり、今年3月に伊賀市大内インターチェンジのドライブインが閉店になったことで、そのバランスが崩れ、道の駅「針テラス」に多くの車が立ち寄り、駐車場は満車状態が見受けられるようになったと感じています。 道の駅「針テラス」は、単に名阪国道にある道の駅ではなく、県東部地域の玄関口として、大変重要な道の駅でもあると考えます。奈良市においても、市における最重要施策として、この道の駅「針テラス」を中心にまちづくりの検討を始めようとしています。 道の駅「針テラス」は、名阪国道を管理する国土交通省と地域振興施設を管理する奈良市が整備した道の駅ですが、国土交通省と奈良市が機能充実に向け、連携していくこととなりますが、道路休憩施設の機能充実は県東部地域の観光や地域振興にとって大変重要なものであり、県も連携していくべきだと考えます。 そこで、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 県東部地域の主要幹線道路である名阪国道の休憩施設の充実について、今後、どのように取り組もうとしておられるのか、お聞かせください。 これで壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)30番荻田議員のご質問にお答え申し上げます。 最初のご質問ですが、県政運営について、これまでの取組を振り返るとともに、来春の知事選挙への対応も含めて、今後どのように考えているのかというご質問いただきました。 私は、この平成19年5月に就任以来、この16年間、地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創ることを県政の目指すべき姿として、県内外の多くの方々の助けをいただきながら、知恵と工夫を重ね、奈良県をもっとよくするため、精魂を込めて愚直に取り組んでまいったつもりでございます。奈良県の発展に力を貸していただいた方々に心から感謝を申し上げたい気持ちでございます。 この間を振り返りますと、その時々に様々な困難な事案にも直面しましたし、必死で対応したように思います。特に就任直後の、荻田議員もお述べになりました妊婦搬送事案、平成23年の紀伊半島大水害、今なお続く新型コロナウイルス感染症対策などは、まさに県民の生命に直接関わるとても重要な事案でございました。 荻田議員もお述べになりましたが、妊婦搬送事案を契機として、奈良県総合医療センター南奈良総合医療センターの開設、県立医科大学の新病棟竣工など、県立系病院が充実しましたし、その結果、周産期医療、救命医療体制が充実し、ドクターヘリの運航を開始することができ、また、脳梗塞、心筋梗塞、がん治療など、奈良県の高度医療が大きく進歩することができました。こうした医療体制の整備が新型コロナウイルス感染症対策でも大きな力を発揮し、県民の皆様に安全・安心をもたらすことができたと思っております。 また、紀伊半島大水害では、災害防災対策や南部・東部振興の重要性を改めて強く認識いたしました。県域全体の土砂災害対策を進めるとともに、大和川の流域治水に取り組み、100年に1度の大洪水にも耐える大和川にする決意をいたしました。 また、南海トラフ地震に備え、紀伊半島全体を対象にする2,000メートル級滑走路を有する大規模広域防災拠点の整備にも着手することができました。 さらに、災害に強く、持続可能な南部・東部地域の振興を図るための条例を制定し、奈良県発展の源流となってきた南部・東部地域を発展させる取組を始めることができました。 また、知事就任当初からの願いといたしまして、大阪など大都市から経済的に自立し、脱ベッドタウン化する奈良県を目指そうとしてまいりました。長年、ベッドタウンとして発展してきた本県には、県内に働く場所が少なく、若者の県外流出が続き、子や孫の代になって衰えてしまうという大きな課題が目に見えていたからでございます。工場誘致やホテル誘致など働く場所の確保、特に若者の雇用創出について、全力で取り組んでまいりました。 その結果、工場立地件数は全国9位、近畿で2位まで躍進し、長年全国1位、つまりワーストワンであった県外就業率は、令和2年の調査では全国3位になるなど、県内での就業が充実し、脱ベッドタウン化が進んでいることが明らかとなり、長年の願いがかないつつあるようで、とても勇気づけられる思いでございます。 また、貧弱でございました県内の幹線道路の整備につきましては、京奈和自動車道の大和郡山インターチェンジから橿原北インターチェンジ、橿原高田インターチェンジから和歌山までの間が平成29年までに順次開通し、今は県内全区間が事業化され、工事が進んでおります。 また、中和幹線や紀伊半島アンカールートなど、長年の懸念でございました重要道路の整備が県内で開通したり、また整備が進んだりしてくる状況でございます。こうした幹線道路の整備が工場立地の増加や観光振興など、奈良県の経済活性化に大きくつながってきたと思います。 このほか、健康寿命は男性が全国3位、がん死亡率は全国ベスト7位、その下落率は全国1位、有効求人倍率は近畿でトップ、障害者雇用率は全国で1位など、様々な分野において目に見える成果が現れてまいりました。 さらに平城宮跡歴史公園の国営公園化、スイムピア奈良の建設整備のほか、NAFICや奈良公園バスターミナル、奈良県コンベンションセンター、なら歴史芸術文化村など、これまで奈良県になかった新たな施設もオープンさせることができました。 一方、この10年間の県の財政状況は、県内県税等収入の大幅増加、県債残高の大幅な減少、多額な基金の積上げなどが実現でき、奈良県が力強く発展できる力を蓄えることができてまいりました。 特に、この4期目は県政発展の目標の道筋といたしまして、100項目以上に上ります奈良新「都」づくり戦略を策定し、奈良県をさらに発展させていくために、この奈良新「都」づくり戦略に掲げる諸施策に全力で取り組んできたところでございます。 中でも、リニア中央新幹線の全線開業と奈良市附近駅早期確定、大規模広域防災拠点の整備、大和平野中央田園都市構想など、今後の奈良県の屋台骨となる極めて重要なプロジェクトについて、積極的な議論を重ね、県民の皆様のご協力、ご理解を得ながら、実現に向けた取組がスタートしております。リニア中央新幹線は来年度に環境アセスメントに着手することになり、数年以内に奈良市附近駅の位置が確定するものと思います。 また、大規模広域防災拠点は、Ⅱ期工事までの用地のかなりの部分が確保でき、10月末には事業開始式を行いました。大和平野中央田園都市構想も、県立工科大学設置、サッカー専用スタジアムの建設などの実現に向けた取組が進んでおります。 ほかにも、県立医科大学の新駅設置と県立医科大学の移転、畝傍山周辺のスポーツ施設の整備、西和医療センターの移転・新築、まほろば健康パークの整備、中央卸売市場の市場の再整備、県域水道一体化、近鉄大和西大寺駅の高架化・移設、近鉄郡山駅の移転・駅前整備など、本県の将来に向けて大事なプロジェクトが今まさに動き始めているところでございます。 リニア中央新幹線が全線開業する15年後の2037年の大きく発展した奈良県の姿に思いを馳せますとき、次の4年間の県政運営は奈良県の将来を大きく作用する大切な時期だと思います。奈良県発展につながるこのような大きな波を止めることなく、しっかりと継続していくことが奈良県にとって極めて重要であると確信しております。 私は不器用で愚直であると思っております。奈良県をもっとよくするためにお役に立つ限り、いつでもお役に立ちたいという思いは今でも十分にございます。その上で、今後の県政運営、つまり来春の知事選挙についてでありますけれども、今はまだその結論を出すに至っていないというのが私の現在の心境でございます。今しばらく時間をいただき、熟慮させていただきたいと思っております。 次のご質問でございます。 新型コロナウイルス感染症の拡大及びその影響への対応についてのご質問でございます。 県では、これまで新型コロナウイルス感染症の特性を踏まえました感染防止対策と、安心できる医療提供体制の確保・維持に力点を置いて、取組を進めてまいりました。特に、第6波以降、療養先トリアージ基準の策定、医療機関、自宅及び高齢者施設への医療提供の充実、クラスター対策の推進、ワクチン接種の促進といった4つの取組とともに、本県独自の健康管理、フォローアップ体制を整え、積極的に療養者を支援し、今まで円滑に体制が進んでおります。 オミクロン株による感染が続いておりますが、これらの対策を継続するとともに、改めて換気をはじめとした基本的な感染防止対策の周知を強化し、感染拡大に対処したいと考えております。 一方、コロナ禍で影響を受けた経済や地域の活性化は喫緊の課題でございます。県では、感染対策と社会・経済活動との両立を重視し、引き続き、取組を進めていくところでございます。 これまで全国に先駆けて、無利子・無保証料の制度融資を開始いたしましたが、中小企業などの資金繰りを強力に支援してまいったところでございます。また、売上げ回復のための取組に対する補助金による支援や、宿泊・旅行需要喚起策である「いまなら。キャンペーン」なども実施しております。 加えまして、最近の原油価格・物価高騰が県内経済にも悪影響を及ぼしており、これに対応するため、運送事業者、公共交通事業者、農畜産業者など、様々な分野に対して支援を行っているところでございます。いまだに影響が拡大していることから、今議会においても追加で対応するために必要な補正予算を計上させていただきました。 さらに、コロナ収束後も見据え、奈良県ならではの新しい時代の地域資本主義というテーマのもと、「商って良し」「働いて良し」「世間に良し」の三方良しの地域社会の実現に向け、新たな条例の検討も始めております。 引き続き、安心できる医療提供体制の維持・確保、基本的な感染防止対策の徹底の2本柱で対処を行いながら、経済や地域の活性化に向けた取組を全力で進めてまいりたいと思います。 次のご質問でございますが、大規模広域防災拠点の事業の進め方でございます。 近い将来、発生が確実視されております南海トラフ巨大地震をはじめ、大規模な自然災害に備えて、県では、空からの情報収集や救助要員の集結、救援物資の集積・配送などに優れた防災機能を有する大規模広域防災拠点の整備を進めてまいりました。 本拠点の整備は、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期と段階的に進め、Ⅲ期では2,000メートル級の滑走路を有することとしており、全体で720億円の事業費を見込んでおります。そのため、本事業の財源といたしまして、事業費の100%に充当ができ、その償還額の70%は国からの交付税として措置される緊急防災・減災事業債の適用と、長期にわたる継続的な支援について総務省への要望を続け、一定のご理解を得ることができております。感謝を申し上げている次第でございます。 また、国で作成しております、南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画の今年6月の改定の際に、本拠点が位置づけられたことを踏まえ、11月10日に谷内閣府特命担当大臣に、本拠点の各段階に応じた利活用の助言をお願いしたところ、「熱意が伝わります。引き続き応援していきたい。」という非常にありがたいお言葉を頂戴いたしました。 さらに、Ⅰ期・Ⅱ期整備に必要な五條市阪合部地区にあるプレディアゴルフ場の土地について、地権者の皆様方のご理解・ご協力を得ることができまして、取得がかないましたことから、10月30日に当該ゴルフ場で事業開始式を開催したところでございます。 この事業開始式には2つの願いが込められております。1つは防災拠点の整備事業を開始するという意味と、2つは現況でも防災機能を発揮できる運用事業を進めていきたいという意味の2つでございます。式では、ご出席賜りました武田元総務大臣をはじめ、関係の皆様や地元の皆様に、多大なるご協力、ご尽力を賜りましたことへの、心からの感謝を申し上げたところでございます。 今後、防災拠点としての早期効果発現を目指し、整備と運用に分けて進めていきたいと思います。整備につきましては、Ⅰ期、ヘリ発着のパッドをつくる、Ⅱ期、600メートルの滑走路をつくる、Ⅲ期、2,000メートル級の滑走路をつくるといった段階的整備を進めていきます。まずは、土砂搬入のための工事用道路の測量や設計を鋭意進めているところでございます。 また、運用につきましては、その段階を、現況、Ⅰ期、Ⅱ期途中、Ⅱ期、Ⅲ期の5段階に分け、災害時と平常時の利活用を図りたいと考えております。整備はⅢ期、運用は5期に分けて進めていく仕組みでございます。現況でも災害発生時に防災拠点として活用できるよう、消防や警察などの関係機関と検討を進めております。さらに、今年度末の地域防災計画の修正におきまして、本拠点を県内広域防災拠点の1つとして、追加指定することとしたいと考えております。 引き続き、地元の皆様や国のご協力を得て、五條市と緊密に連携し、大規模広域防災拠点の整備と運用を着実に進めてまいります。 次のご質問は、奈良市八条・大安寺地区周辺地区の整備にどのように取り組むかというご質問でございます。 八条・大安寺周辺地区では、現在、本県の南北軸の骨格をなす京奈和自動車道大和北道路と、(仮称)奈良インターチェンジの整備が進められています。 また、これに併せ、県といたしまして、インターチェンジと市街地を結ぶ西九条佐保線の整備や、JR西日本との連携によるJR関西本線の高架化・新駅の設置などに取り組んでおります。 特に、JR関西本線の高架化と新駅の設置は、京奈和自動車道大和北道路の整備が進められる中、私から国やJRに提案をしたものでございました。これに対し、国やJRから極めて前向きな反応をいただき、極めて早く事業化することができました。こうしたインフラ整備が進めば、荻田議員も言及されたとおり、近い将来、この地区が高い交通結節機能を有する拠点となることは期待されるところでございます。 このように高いポテンシャルを有する本地区のまちづくりについて、県では、最先端技術を活用し高度な都市サービスを提供するAIタウンを目指すことを提唱し、有識者による検討会において、まちづくりのコンセプトに関する議論を続けてきました。 昨年度までの議論では、奈良の文化財と先端技術を組み合わせたコンテンツの創出や、自動運転技術の活用など、先進的で、かつ、奈良らしさを生かしたまちづくりを追求すべきとのご意見をいただいております。 今年度からは、まちづくりビジョンの具体化を図るため、新たに、AIタウン構想具体化検討会を近々立ち上げるべく、準備をしております。 この検討会は、有識者に加えまして、先駆的な都市サービスの展開に知見を有する民間の企業にもご出席いただくコンソーシアム形式とする予定でございます。交通、エネルギー等、様々な分野に関するアイデアをいただきながら、本地区のまちづくりビジョンにつき、検討を深めていきたいと考えております。 京奈和自動車道大和北道路、(仮称)奈良インターチェンジ、また、JR新駅の整備により、本県の新たな玄関口、また新たな拠点となることが期待される本エリアにふさわしい先進的な都市サービスを実現できるよう、鋭意取り組んでまいりたいと思います。 県立医科大学新キャンパスの整備についての進捗についてのご質問でございます。 県立医科大学新キャンパスの整備につきましては、今後、数十年先の県立医科大学のあるべき姿を見定め、未来に向かっての道標とするため、平成29年4月に取りまとめました「県立医科大学の将来像」が整備方針のベースとなっております。 この整備方針には、3つの基本的な考え方が述べられております。1つは、豊かな人間性を重視した良き医療人を育てるため、自発的、創造的に学習や研究ができる教育環境をつくることでございます。2つ目は、学生、教員のみならず附属病院の医療従事者等も安らげる憩いのあるキャンパスをつくることでございます。3つ目は、地域の方々にも活用していただけるオープンな空間をつくること、この3つでございます。 このような考え方を受けまして、平成31年3月に策定いたしました、第3期中期目標・中期計画において、まず先行整備として、医学科の教養教育部門と看護学科の施設について、令和6年度中の竣工を掲げたところでございます。 現在の整備状況でございますが、昨年10月から造成工事を実施しており、今年10月からは令和7年度の移転・開学に向け、建築工事に着手したところでございます。 また、大学施設の一部が移転した後の現キャンパスにおきましては、医大新駅の整備の方向が固まったこともありまして、隣接する位置になりますが、新外来棟などを整備して、附属病院施設のリニューアルを行うこととしております。 現在、新外来棟に備えるべき機能などにつきまして、患者中心に考え、患者にとって最善の医療を提供できる施設となるよう検討を進めております。来年度から基本計画の策定を行う予定でございます。 今後とも、最高の医学と最善の医療をもって、地域の安心と地域社会の発展に貢献するため、県立医科大学の施設整備・充実に取り組んでまいりたいと思います。 中央卸売市場の再整備についてのご質問でございます。 中央卸売市場の再整備にあたりましては、卸売市場を取り巻く食品流通や物流環境の変化を踏まえることが重要だと認識しております。荻田議員もお述べになりました点でございます。 このため、安全・安心を確保することはもちろんでございますが、荻田議員もご指摘いただいておりますように、当市場が持つ交通ネットワークの利便性を生かし、効率的な流通拠点として整備することとしております。 具体的には、コールドチェーンなど衛生・品質管理の高度化を行うとともに、市場内の物流動線を効率化することで、荷受けから配送までを迅速に行える市場にしたいと考えています。 加えまして、書類の電子化や市場業務のデジタル化、荷卸しの待ち時間を解消する車両誘導システムの導入など、今後必要とされるデジタルトランスフォーメーションを推進し、流通機能の強化を図っていく方針でございます。 こうした取組を行うことで、奈良県中央卸売市場を魅力あるものとし、量販店をはじめとする実需者や産地から選ばれる市場としていきたいと考えております。 県としては、変革期にある物流業界の動向や民間事業者の提案なども踏まえながら、産地と県内外の消費地等を結ぶ中核的な物流流通拠点となるよう、市場の再整備を進めていきたいと思っております。 私への質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 舟木文化・教育・くらし創造部長。 ◎文化・教育・くらし創造部長(舟木豊) (登壇)30番荻田議員から私へは史跡太安萬侶墓の整備について、現在の取組状況と今後の方針のお尋ねでございます。お答え申し上げます。 全国的に有名な太安萬侶墓は、歴史的・文化的価値が極めて高く、奈良市東部地域におけるかけがえのない宝です。維持・管理にご尽力いただいている地元の方々に御礼を申し上げたいと思います。荻田議員お述べのとおり、急勾配の園路が維持管理作業の負担となっていることや、来訪者の安全面での懸念となっていることについて、県としても十分に認識しているところでございます。 このため、今年度、有識者と地元の此瀬町代表にもご参加いただき、県が事務局となり、整備検討委員会を立ち上げました。7月に第1回委員会を開催し、今年度内にさらに数回開催して、より緩やかな園路の設置や説明板の更新、周辺植栽の剪定を主たる内容とする保存活用計画を策定する予定でございます。 今後、同計画に沿った整備について、地元のご意見も踏まえながら、令和5年度には現地測量と基本設計、令和6年度には発掘調査と地質調査を実施したいと考えております。その後、実施設計を経て、整備工事に着手することを予定しております。 多くの方々が史跡太安萬侶墓に親しんでいただけるよう、史跡の価値を分かりやすく体感でき、安全かつ快適に訪れていただける環境づくりに引き続き取り組んでまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 清水県土マネジメント部長
    県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)30番荻田議員から私には名阪国道における休憩施設についてご質問がございました。 名阪国道は、三重県亀山市から奈良県天理市に至る一般国道で、1日の交通量が約4万5,000台の自動車専用道路です。中部圏と関西圏を結ぶ物流の大動脈であるとともに、地域の生活道路でもある重要な道路です。 荻田議員お述べの道の駅「針テラス」は、名阪国道の針インターチェンジに位置し、県内の道の駅で最大の駐車スペースを有し、奈良県の骨格幹線道路である国道369号と接続する県東部地域、南部地域の玄関口となっています。 この「針テラス」の休憩機能については、道路管理者である奈良国道事務所が、トイレの洋式化や授乳室の設置など、充実させてきています。また、駐車スペースには、電気自動車に対応するため、EV充電設備が設置されています。一方、地域振興機能については、施設管理者である奈良市が民間活力の導入可能性調査を行い、再整備の方法を検討していくと聞いています。 近年、全国的に個性ある魅力的な道の駅が増えてきており、人気スポットとなっています。県においても、国、県、及び県内16の道の駅駅長と関係市町村が参画する、奈良県道の駅連絡会を活用して、先進的な取組の情報共有を図るなどにより、「針テラス」がより魅力的な施設になるよう、協力していきたいと考えています。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 30番荻田義雄議員。 ◆30番(荻田義雄) 時間がないようでございます。今回、多岐にわたって知事はじめ理事者の皆さんにご質問をさせていただきました。知事の熱い思い、あるいはまた、これまで15年余にわたって、いろいろな奈良県政の施策に前を向いて、本当に頑張ってきておられたものだと感謝をする次第であります。 これからも夢の実現に向けて、まだまだやり残したこともあるでしょう。熟慮に熟慮を重ねていただいて、やはり結論はしっかりと出していただけたらと思っているところであります。 時間がないようでございますので、各部長さん、今のことをしっかりと現実として、やはりみんなでいい施設づくり、頑張っていきたいと思います。終わります。 ○議長(岩田国夫) しばらく休憩します。 △午後2時13分休憩    -------------------------------- △午後2時29分再開 ○副議長(西川均) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 次に、21番田中惟允議員に発言を許します。--21番田中惟允議員。(拍手) ◆21番(田中惟允) (登壇)議場の皆様、こんにちは。お茶の間で中継をご覧いただく皆様、いかがお過ごしでございましょうか。私は、宇陀市宇陀郡選挙区選出の田中惟允です。 議長の指名をいただきましたので、自由民主党会派を代表して、知事に質問させていただきます。 今回、登壇できますことは、先輩議員、同僚議員のご指導のたまもので感謝申し上げます。 まず質問を行う前に、先ほど荒井知事が述べられました、今後の県政運営に関わる考えについて、私の思いを申し上げさせていただきます。 荒井知事が平成19年5月に就任されてからの大きな業績や成果については、先ほどの答弁でも触れられましたので、私から改めて述べる必要はないと思いますが、奈良県がここまでよくなってきたのは、時代の潮流を捉え、エビデンスに基づく諸施策を的確に実行されてきた荒井知事の業績手腕によるところが大きいと思いますが、いかがでしょうか。 一方、今後の県政運営に目を向けると、リニア中央新幹線の奈良市附近駅設置、大規模広域防災拠点の整備、大和平野中央田園都市構想県立医科大学周辺のまちづくり、中央卸売市場の再整備、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けた施設整備など、奈良県の未来をつくる、多くの大規模なプロジェクトが動き始めています。 この動き始めた大きな流れを途絶えさせずに、さらに加速させていくという大任を果たすことができるのは荒井知事しかいないと確信しています。 荒井知事は、先ほどの答弁で来春の知事選挙に対する心境を表明されました。私は知事のお気持ちを尊重したいと思いますが、知事が我々の期待に応える形での決断されることを心待ちにしていることを申し上げ、質問に入らせていただきます。 また、会派を代表しての質問のため、地元宇陀地域の具体的なことより、奈良県全体の課題を中心に質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず初めに、大和平野中央田園都市構想についてお伺いします。 県が現在進めておられる、磯城郡3町をはじめとする大和平野中央部における県の取組、大和平野中央田園都市構想は、県の最重要課題である良質で多様な雇用の場の創出や、県内経済活性化に大きく寄与するプロジェクトであり、強力に推進すべきものと考えております。 さて、この構想は、昨年11月にキックオフ会議が開催されて以降、構想に掲げるテーマごとの検討会が開催され、議論を深めてこられました。そして、去る10月には大和平野中央田園都市構想の令和4年度第1回フォーラムが、多くの関係者の参集の下、盛大に開催され、田園都市構想の案が示されました。私も資料を読みましたが、大和平野を取り巻く状況や課題などを踏まえ、県勢発展の起爆剤となる、デジタル田園都市の建設に向けた16のテーマについて、これまでの取り組んできたことや、これから取り組んでいく具体的な実施策が記載されており、構想の熟度が高まっているように感じました。引き続き、地元や関係者の意見を聞きながら検討を進めていただき、構想が充実したものとなることを大いに期待しています。 また、このプロジェクトでは、ウェルネスタウンや大学とスタートアップヴィレッジをテーマとする拠点整備にも取り組んでおられます。 拠点整備に必要な用地取得にあたっては、これまでも丁寧に地元調整を図っていただいていると伺っておりますが、このようなプロジェクトを進めていく上で、地元住民、地権者の理解と協力は不可欠なものと思います。プロジェクトの意義や必要性を十分に理解していただけるよう、今後も着実に、そして丁寧に取組を進めていただきたいと思います。 そこで知事にお伺いします。 県では、これらの拠点整備を含む構想を今年度中に取りまとめるとされていることから、来年度は、この構想を検討の段階からいよいよ実行の段階へと引き上げていく重要な年になると考えられますが、大和平野中央田園都市構想の実現に向けて、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 次に、大和平野中央田園都市構想のもとで進めておられる、仮称ではありますが、奈良県立工科大学の設置構想についてお伺いします。 本年9月の本会議において、知事は、若者にとって魅力ある奈良県を実現するため、県として新たな工学系の県立大学・大学院の設置を目指す考えを述べられました。 数年間に及ぶコロナ禍を通じて進んだ、テレワークなどの多様な働き方やオンラインでの学習スタイル導入の流れは、コロナ収束後もとどまることなく、むしろ、デジタル技術の進展とともに、より自然なものとして人々の生活に浸透することが予想されています。それぞれの生活様式を見直す中で、どこで誰とどのように暮らすかということについて、改めて考える機会を得た人も少なくはないのではないでしょうか。 こうした社会情勢の変化を見据え、これからの奈良県は、いよいよベッドタウンとしての性格に頼らず、若者世代に、この地で学び、暮らし、働きたいという明確な思いを持って選ばれるような県を目指していくべきと考えます。若者を引きつけるためには、県内に生涯を通じて学び成長できる環境が整い、自身の技能を生かして活躍できる多様な雇用や起業のチャンスが広がっていくことが、極めて重要な要素となります。 そのような観点から、私は新たな県立の工科大学の設置に大いに期待しております。 知事は、先ほど述べた10月のフォーラムの中で示された県立工科大学の設置構想において、社会人が働きながら、いつでもどこからでも学ぶことができる環境を整備すること、地域の産業界や起業を志す方をサポートできる産学官連携の研究体制を構築することを掲げておられます。大変チャレンジングな構想ですが、県として取り組むべき課題に真っすぐに向き合うアプローチであると感じております。知事のリーダーシップのもとで、一つ一つの課題をクリアし、県立工科大学を核として、意欲ある多様な人材や企業が集まり、交流しながら研究や対話の成果を社会にスムーズに還元していける枠組みを、一日も早く実現していただきたいと考えます。 また、今後、研究分野やカリキュラムの特色、企業や地域との連携、交流の在り方など、具体の検討が進められると伺っています。これまでにない発想で、地域に開かれた大学をつくるため、構想の具体化にあたっては、様々な分野の研究者や企業、住民など、多くの方の声に丁寧に耳を傾け、知恵やアイデアを柔軟に取り入れながら議論を進めていただきたいと考えています。 そこで知事にお伺いいたします。 (仮称)県立工科大学の設置構想の早期実現に向けて、今後、どのような体制とスケジュールで取り組んでいかれるのでしょうか。 次に、保育所、幼稚園等における送迎バスの安全管理対策についてお伺いします。 昨年7月、保育施設の送迎バス内に園児が取り残されて、熱中症で死亡するという大変痛ましい事故が福岡県で発生し、その記憶がまだ新しい中、本年9月にも静岡県で同様の事故が発生してしまいました。何の罪もない子どもの命がこのような形で奪われてしまうことは全く理不尽であり、保護者や親族等のお気持ちを察すると、胸が張り裂けるような思いに駆られると同時に、強い憤りを禁じ得ません。 静岡県の事故を受け、国においては、本年10月、緊急対策として、こどものバス送迎・安全徹底プランが取りまとめられました。当プランでは、子どもの見落としを防止するための安全装置や登園管理システム等の導入、また早期にこれらの取組に着手するため、必要な財政措置を講じることが盛り込まれました。 その後、10月末に当プランで示された取組が、国の物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策に位置づけられ、これに基づく2次補正予算が12月2日に国会で可決、成立したところです。 静岡県での事故は、園児の下車後、車内を確認せずにバスを施錠したことだけではなく、園児が登園していないことを担任の職員が気づきながら、保護者に確認することをせずに欠席扱いとしたことなど、幾つかのエラーが重なり生じたものです。 私は、こうしたヒューマンエラーは完全に防ぐことができないとの認識に立ち、職員一人ひとりの意識の向上や職員同士の連携等を徹底するといった対応だけではなく、子どもの所在確認をサポートすることができる機器やシステムの力も取り入れ、このような事故を二度と発生させない対策を講じていく必要があると考えます。 そこで知事にお伺いします。 県は、静岡県で発生したバス置き去り死亡事故の発生を受け、送迎バスの安全管理対策について、現在、どのような取組を行っているのか。また、国の物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を受けた今後の対策についても、併せてお聞かせください。 次に、福祉の奈良モデルの構想についてお伺いします。 少子高齢・人口減少社会の進展に伴い、高齢の親と働いていない独身の50歳代の子どもが同居する8050問題や、育児と介護に同時に直面するダブルケアといった複合的な課題を抱える世帯、ごみ屋敷など、既存の福祉制度による支援が届かず、誰にも助けを求めることもできず、社会から孤立していく方など、県民が抱える困り事が複雑で多様なものになっています。 特に、この数年はコロナ禍により、経済的な困窮や、心や身体の不調から社会的孤立に陥る方が増加するなど、生活課題が顕在化していると思われます。 このような中、知事はこれまで、奈良県を日本一福祉の進んだ地域にしたいという強い思いの下、地域福祉の推進に邁進してこられました。 そして、困っている人を誰一人排除せず助けるなどといった福祉の奈良モデルの考え方に基づき、県民の多様な困り事を把握し、適切な支援につなぐ仕組みの構築に向けて検討を重ねてこられ、本年3月、地域福祉の推進に関する県の基本理念を明らかにする、奈良県人と人及び人と社会がつながり支え合う地域福祉の推進に関する条例を制定されたところです。 この条例では、すべての県民が支え合いながら安心して暮らすことのできる地域社会の実現に向け、地域住民の困り事を世帯全体で包括的に把握し、適切な支援につなぐ仕組みを県と市町村が協働・連携して構築していくことなどが定められています。 このような仕組みを構築していくためには、まずは、住民に最も身近な市町村がその重要性を認識し、主体的に取り組むことが必要ですが、県としても条例の制定を契機に、より積極的に市町村に関与していくことが必要であると考えます。コロナ禍により他者や社会とのつながりが希薄になっている今こそ、人と人、人と社会がつながり支え合うことの意義を再認識し、県がしっかりと役割を果たし、地域福祉を一層推進すべきときではないでしょうか。 そこで知事にお伺いします。 奈良県人と人及び人と社会がつながり支え合う地域福祉の推進に関する条例の制定を踏まえ、福祉の奈良モデルの構築に向けたこれまでの動きと、今後、どのように取り組んでいくのかについてお聞かせください。 次に、新型コロナワクチン接種の推進についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が第8波を迎える中、オミクロン株対応ワクチンの接種が始まっていますが、本県での接種完了者は、12月1日時点で約25万5,000人、県人口を基にした接種率は19.1%であり、全国平均も19.2%と低い状況にあります。 私は、長引くコロナ禍の中、経済活動と医療提供体制の維持の両立を図ることは大切なことだと考えており、ワクチンの接種をこれまで以上に進めるべきと考えています。 今、接種を促進されているオミクロン株対応ワクチンは、従来株とオミクロン株の2種類の成分が含まれている2価ワクチンと呼ばれるものです。現在の流行の中心であるオミクロン株に対しては、これまでの従来型ワクチンを上回る効果が期待されていると言われており、前回接種から3か月が経過した県民の皆様には、ぜひ少しでも早く接種していただきたいと願っています。 特に、重症化リスクの高い高齢者は、速やかな接種が求められます。仮に感染したとしても、大きな感染の波が来る前に接種をすれば、ワクチンの効果が発揮され、重症化リスクを下げることに一定の効果が期待できるためです。 また、40代までの若年層は、接種による副反応を恐れてのことだと思いますが、年齢の高い年代と比較すると、接種率が低い傾向にあります。若年層であっても、重症化することや後遺症が残ることもあると聞いています。自分自身だけでなく、周りの方を守るためにも、若年層の方にも、ぜひ接種をご検討いただくことが重要だと思っています。 岸田内閣総理大臣も11月7日の全国知事会で接種促進を要請され、ワクチン接種について、最大限の加速が必要と述べられています。 そこで、知事にお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の感染予防や重症化予防のためのオミクロン株対応ワクチンの接種が重要であると考えますが、県ではこのワクチンの接種を推進するため、どのような取組を行っておられるのか、お聞かせください。 次に、リニア中央新幹線についてお伺いいたします。 リニア中央新幹線は、我が国が誇る高速鉄道である新幹線をさらに進化させ、東京・大阪間を約1時間という超高速で結ぶ国家的なプロジェクトです。 私たち奈良県にとっては、これまで主に大阪圏のベッドタウンとして位置づけられてきた本県の経済発展、そして、3つの世界遺産を有するなど、豊富な資源に恵まれた本県のさらなる観光振興を図る上で、大変重要な事業だと思います。そういった観点から、私もリニア中央新幹線の全線開業と奈良市附近駅の設置を心待ちにしている1人であります。 このリニア中央新幹線に関しては、本年に入ってからの本会議での質疑、また、各方面からの情報を見るにつけ、昨今、大変大きな動きが出てきていることを感じています。 6月に政府が決定した骨太の方針では、「建設主体が2023年から名古屋・大阪間の環境影響評価に着手できるよう、沿線自治体と連携して、必要な指導、支援を行う。」との記載が盛り込まれました。これまで、静岡工区の問題などもあり、なかなか進まないなあと少しじれったく思うこともあった本県を含む区間について、具体的な手続がいよいよ進められるという筋道が見えてきたと思っています。 こうした中、荒井知事は最近も積極的な活動を展開されています。 この10月には、三重県知事とともに岸田内閣総理大臣に面会され、三重、奈良、大阪、3府県によるリニア中央新幹線建設促進大会の開催を報告し、要望書を手渡されたと伺っています。 また、先月18日には、奈良県内の関係者で構成する、リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会の総会を開催され、リニア建設促進に向けた決議が採択されました。私も出席し、一刻も早い奈良市附近駅の位置決定とリニア中央新幹線全線開業への思いを、ますます強くしたところでございます。 奈良市附近駅の位置とルートの決定に向けては、まさにこれからが極めて重要な時期となります。今後、駅位置等の決定に向けた諸課題の精査や、JR東海をはじめとする関係者との調整を精力的に進めていただき、ぜひ、具体的な前進が見られるよう取り組んでいただきたいと期待しています。 そこで、知事にお伺いします。 奈良市附近駅の位置・県内ルートの決定をはじめとして、リニア中央新幹線の整備促進の取組を今後どのように進めていくのか、知事のお考えをお聞かせください。 最後に、県域水道一体化についてお伺いいたします。 水道は、住民の生活の根幹を支えるライフラインの1つですが、近年の水道事業においては、水需要の減少に伴う給水収益の減少、水道施設の老朽化による更新需要の増加、職員の減少による技術力の低下など、経営環境の厳しさが年々増してきており、水道事業を行う県内の市町村も多くの課題に直面していると聞いています。 このような課題への対応策として、奈良県では、上水道事業の広域化、すなわち県域水道一体化に向けた検討が進められており、私も大いに期待しているところです。 昨年1月には、県、大和郡山市を除く県内上水道エリアの27市町村、奈良広域水質検査センター組合の29団体の間で、水道事業等の統合に関する覚書が締結され、また、同年8月には、任意協議会である奈良県広域水道企業団設立準備協議会が設立されて、関係団体による協議検討が着実に進められてきたと認識しています。 その後、本年10月4日に、29団体のうちの1つである奈良市が一体化への不参加を表明されたところです。 10月13日に開催された第4回協議会では、これまで覚書や協議会に参加しなかった大和郡山市についても、一体化参加に向け、市の意見を聞きつつ調整を進めるというような話があったと聞き及びます。 また、一体化による料金面の統合効果が見られない葛城市では、参加するかどうかは白紙の状態という市長の発言が新聞紙上で報じられるなど、一体化に向けた動向については、私のみならず、県民の皆様にとっても、非常に関心が高い取組であると考えています。 そこで、知事にお伺いいたします。 県域水道一体化について、協議会では来年2月の基本計画策定、基本協定締結を目指すことを表明されておりますが、関係団体との調整はどのような状況でしょうか。 以上で、壇上からの自由民主党会派の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)21番田中議員のご質問にお答え申し上げます。 最初のご質問でございますが、大和平野中央田園都市構想の具体的な取組の方向ということでございます。 大和平野中央田園都市構想は、近い将来、奈良県を見違えるように良くしていく戦略の大きな柱の1つと位置づけ、昨年来、取組を進めております。 今年度は、既に検討会を3回開催したほか、10月に初めてのフォーラムを開催し、300人以上の方々にご参加いただきました。私から現時点での構想案をご説明した後、パネルディスカッションでは磯城郡3町在住で、こども食堂の運営など地域に根差した活動をされている3名の方にもご登壇いただき、構想への期待を伺いました。多くの世代が交流する開かれたコミュニティーづくりの重要性などについて、有意義な意見交換ができたと思います。 今月には、(仮称)奈良県立工科大学の設置をテーマとして、民間事業者の参画を得たコンソーシアム形式により、今年度4回目となる検討会を開催し、議論をさらに深めたいと考えております。 併せまして、磯城郡3町において取り組んでいる、サッカーをはじめとする球技専用スタジアムや、テニスコートなど、スポーツ施設を核とした2つのウェルネスタウン、また、(仮称)奈良県立工科大学とスタートアップヴィレッジをテーマとする拠点整備については、現在、事業手法の具体化について検討を行っているところでございます。 また、これらの拠点整備に必要な用地につきましては、現在3町の協力を得て、地権者の皆様に対する説明を順次実施しており、おおむね協力的なご対応をいただいております。引き続き、県の用地、早期の用地取得を目指して取り組んでまいりたいと思います。 このような取組を進めつつ、県議会はじめ関係者のご意見をいただいた上で、来年2月開催予定の2回目のフォーラムにおきまして、大和平野中央田園都市構想をお示しし、将来の姿をより明確なものにしたいと考えています。 来年度は本構想を実行へと移していくため、構想のテーマに基づく民間事業者の先進的なアイデアの実装や、磯城郡3町における拠点整備の具現化などを進めていく予定でございます。 これからも3町との連携の下、地元や民間の方々と力を合わせて、未来に輝く大和平野の創生に向けて取組を進めていきたいと考えております。 その中で、(仮称)奈良県立工科大学の設置構想についての体制とスケジュールについてのご質問でございます。 本県の最重要課題でございます若者の県外流出防止、産業競争力の強化などに対応するため、工学系の県立大学を新たに設置する方針で取組を進めてきております。 新大学では、工学系の学部と大学院の設置を目指しますが、まずは、高い研究力を有し、企業の技術力向上や人材確保のニーズ、社会人の学び直しのニーズにしっかりと応えられる大学院から、優先的に設置する方向で検討しているところでございます。三宅町に新キャンパスを整備することとしておりますが、完成までには一定の時間を要するため、当面は県内に仮キャンパスを確保することとし、早ければ令和8年度の開学を目指したいと思います。 構想の実現に向けましては、大学の経営や企業との連携、工学系の研究に精通し、強いリーダーシップを発揮できる人材を中心とした検討体制が不可欠でございます。 幸い、京都大学の理事・副学長、産学連携本部長など歴任されました小寺秀俊氏に、構想の具体化に向けた議論の取りまとめをお願いして、精力的に活動していただいております。先月、小寺氏を中心とした有識者からの議論の場を立ち上げたところでございます。今年度中に、新大学の研究・教育分野の設計に関する議論を進め、来年度は、具体の教員候補の検討や、教員組織体制の構築に向けた議論まで進めていきたいと考えております。 また、斬新な発想でこれまでにない特色ある大学をつくるため、全国の大学、研究機関、企業等の研究者を集め、アイデアを出し合うワークショップの開催も考えています。併せて来年度には、地域社会の教育ニーズや、企業等の人材確保及び技術支援に関するニーズを詳細に把握するための調査を行う予定でございます。 今後も引き続き、小寺氏をはじめとする多様な人材や、企業、他大学、研究機関等との議論を重ねながら、地域のニーズに応え、従来の枠にとらわれない魅力ある大学の設置に向けて、着実に取組が進んでおります。 次のご質問は、保育所、幼稚園等における送迎バスの安全管理対策についてでございます。 保育所、幼稚園等で子どもが安心・安全に過ごせることは、子どものはぐくみの大前提でございます。 県では、本年9月に静岡県で発生いたしました、送迎バス置き去り死亡事故を受け、バスを保有する保育所、認定こども園、幼稚園等全89施設に対し、送迎バス安全管理対策の実施状況について自己点検を行うよう要請いたしました。 その結果、子どものバス降車後の車内確認はすべての園所で実施、また、保護者への欠席連絡の徹底は87か所で実施されていた一方、園内研修の実施は48施設にとどまっていたことが分かりました。 これを受け、自己点検時に対応できていないとされた事項が是正されているか、また、子どもの所在確認等が適切に実施されているかなどを確認・指導するため、県は9月~11月にかけまして、市町村と連携し、集中的に全施設の緊急実地検査を行ったところでございます。 検査の結果、すべての施設において、子どもの置き去り防止の取組が適切に実施されていることを確認しております。 また、これに関しまして、国は、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策に財政的支援が盛り込まれております。そのため、国が示した安全管理マニュアルの理解を深めるための研修を実施するとともに、バスに設置する警報ブザー等の安全装置やICTを活用した登園管理システム等の導入支援について、今定例県議会に提出した補正予算案に計上したところでございます。田中議員お述べのとおり、職員の意識向上や確認の徹底など、人的な対策と併せ、これをサポートする技術的な対策に取り組んでいきたいと考えております。 県といたしましては、このような事故を二度と発生させないよう、市町村や保育所、幼稚園等と連携を一層強め、確実に対策を進めたいと思います。 次は、福祉の奈良モデルの構築について、これまでの動きと今後の取組についてのご質問がございました。 今年3月に制定いたしました、奈良県人と人及び人と社会がつながり支え合う地域福祉の推進に関する条例におきましては、住民の困り事を包括的に把握し、適切な支援につなぐ仕組みを構築することとしております。包括的な支援体制と呼んでいるこの仕組みは、地域の実情に応じて、市町村を単位として構築することを想定しておりますが、その実施にあたりましては、県と市町村が協定を締結し、協働・連携して取り組むことを条例で定めたわけでございます。福祉の奈良モデルと呼ばれる協力体制の構築を目指した条例でございます。 今年度は、まず市町村長に理解を深めていただくことが重要と考え、6月のサミットの場で、条例の理念を市町村長の皆様にお伝えし、意見交換を行いました。8月には市町村長向けセミナーを開催し、より具体的な実践事例を紹介するなど、機運の醸成を図りました。セミナーでは18名の市町村長・副市町村長をはじめ、市町村職員など100名以上の方々に熱心にご聴講いただき、手応えを感じているところでございます。 また、10月には、葛城市、宇陀市、田原本町の3市町における包括的な支援体制の構築に向けて、それぞれ市・町と県との連携の協議が整いましたので、条例に基づく包括協定を締結いたしました。現在、県社会福祉協議会とも連携し、3市町と対話を重ねながら、アドバイザーの派遣や先進地に係る情報提供など、それぞれのニーズに応じた支援を行っております。 来年2月には、中央大学の権威でおられます宮本太郎教授をお招きして、フォーラムを開催し、この3市町と県の関係者が一堂に会し、取組をより発展させるための議論を行う予定でございます。 また、小規模町村が多い南和地域におきましては、職員数が少なく専門人材の確保も困難であるなど、地域課題がございますので、広域での相談支援の仕組みなど、この地域の実情に応じた効果的な方法を検討しているところでございます。 これからも市町村の思いにしっかりと耳を傾け、方針を共有し、意欲ある市町村との協定の締結や、フォーラムの開催を原動力として、地域の強みや資源を生かしながら、それぞれの地域の実情に応じた、福祉の奈良モデルの構築を県内全域に広げてまいりたいと考えております。 次のご質問は、新型コロナワクチン接種の推進についてのご質問でございます。オミクロン株対応ワクチンの接種でございます。 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、現在も増加傾向にあり、インフルエンザとの同時流行も懸念されております。 県では、感染防止と社会・経済活動とを両立させ、日常生活の維持を目指したいと考えております。 このため、県民の皆様に基本的な感染対策の徹底を継続的に呼びかけるとともに、オミクロン株対応コロナワクチンの早期接種のお願いや、インフルエンザワクチンとの同時接種が可能であることのお知らせをしております。 また、10月以降、接種の間隔が短縮されたことに伴い、接種対象者が大幅に増加していることから、市町村や医療機関に対し、接種体制の強化を呼びかけています。 加えて、県も11月4日から広域接種会場を設置するなど、さらなる接種機会の確保を図っております。 県の広域接種会場は、県内全域からのアクセスも考慮して、大和郡山市内に設置いたしました。12月末までは土曜日を含め、週5日開設することにより、接種体制を強化しております。 さらに、市町村に対しましては、必要に応じ、集団接種会場への医師の派遣を行うとともに、従来株ワクチンの接種の一部を県が実施することで、市町村の負担を軽減し、オミクロン株対応ワクチンの接種促進を支援しています。 こうした取組の結果、奈良県全体の1日当たり最大接種回数は、2万回を超える規模となっている現状でございます。 今後も、ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ切り札の1つでございますので、引き続き積極的に推進していきたいと思います。 リニア中央新幹線についてのご質問がございました。 リニア中央新幹線の整備は、これまで国土軸から外れていた本県にとりまして、県民生活の向上や、県全体にわたる産業・観光振興などが見込まれる、またとない大きな飛躍の機会をもたらすプロジェクトだと考えております。 私はこれまで、奈良市附近駅の位置やルートの確定につながる、名古屋以西区間の環境影響評価手続を速やかに開始していただきたいと、幾度となく要望してきました。 こうした中、田中議員お述べのように、今年になって大きな動きがございました。 6月の国の骨太の方針に、来年2023年からの名古屋・大阪間の環境影響評価の着手に関する方針が明記されました。また、岸田内閣総理大臣からも、駅位置等の決定に向けて強いリーダーシップを発揮してほしいとのご要請を直接いただきました。 このような国の積極的な姿勢により、駅位置等の決定プロセスにおいて、地方の関与がより重要な意味を持つようになったことは、これまでにない大きな変化であり、歓迎しているところでございます。 今後、奈良市附近駅の位置及び県内ルートの決定においては、実際上、6項目の課題があると考えております。 まず、工事に直接関わる、工事主体に関する課題でございますが、1つ目は用地取得の確実性、工事費の低減の課題、2つ目は発生土活用先の確保、3つ目は文化財・環境等への配慮、リスクへの配慮といった項目でございます。 地域として大きな関心を有する事項は3つございます。交通結節性の確保、駅周辺のまちづくりの可能性、地域全体の将来的な発展可能性といった項目だと思われます。 県内候補地に関しましては、JR関西本線など在来線や高速道路との接続などを考慮いたしますと、事実上、3つに絞られているように思っております。JR平城山駅周辺、JR新駅周辺、JR関西本線と近鉄橿原線が交差する場所周辺の3つの候補地が対象になるものと考えております。このことは、JR東海など関係者にもお伝えしており、引き続き、今述べた6項目の課題の解決に向け、緊密に協力して検討を進めていく必要があると考えております。 このような本県の状況については、10月に岸田内閣総理大臣に面会した際、私からご報告をしたところでございます。岸田内閣総理大臣からは、駅位置とルートの確定に向け、引き続き努力するよう、また、沿線地域における機運の醸成もお願いしたいとのご発言がございました。 その一環として、先月18日には、田中議員にもご出席いただきましたが、県内の自治体・経済界等で構成する、リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会総会を3年ぶりに対面で開催いたしました。この総会におきましては、来年からの環境影響評価への着手、そして早期着工を要請する決議を採択していただいたところでございます。 2037年の東京・大阪間の全線開業、そして奈良市附近駅の設置に向け、これから大事な時期を迎えます。来年からの環境影響評価手続の開始、そして、それに伴う駅位置、県内ルートの決定に向け、引き続き、関係者と連携し、積極的に取り組んでいく必要があろうかと思っております。 県域水道一体化についての関係団体との調整状況についてのご質問がございました。 奈良県では、人口減少等に伴う水需要の減少や水道施設の老朽化などの課題を解決するため、昨年8月に関係団体の長で構成いたします企業団設立準備協議会が発足し、県域水道一体化に向け検討協議を進めてまいりました。 その後、奈良市は一体化に参加されない一方で、10月13日の第4回協議会では、大和郡山市についても一体化参加に向け、市の意見を聞きながら調整を進めることで了承が得られ、同市と協議を行ってきたところでございます。 また、一体化参加に向けて懸案を抱える市町村には個別に相談に応じるなど、丁寧に調整を進めてきております。 先週11月29日の第5回協議会では、これまでの協議結果を踏まえて、一体化後の組織、施設整備、財政運営などを取りまとめた基本計画案について、意見交換をいたしました。 この基本計画案では、企業団の経営方針の意思決定プロセスについて、また料金面での統合効果の見られない団体への別料金の設定について、また各市町村が企業団へ引き継ぐ資金の配分のルール化についてなど、市町村の意見を聞きつつ、協議会で丁寧に検討を重ねた結果を盛り込んでおり、協議会のすべての構成団体の了承が得られたところでございます。 また、大和郡山市が参加した場合の一体化後の姿についても意見を交換いたしました。水道事業で生み出された資産はすべて企業団に引き継ぐことを前提として、引継ぎ資金の配分のルール化や、大和郡山市の昭和浄水場の存続について、全協議会構成団体の了承が得られました。協議会にオブザーバー参加していた大和郡山市からも、参加に向け、真摯に検討する旨、発言があったところでございます。 今後は、各団体において、これら協議会了承事項を十分検討いただき、12月中に首長としての一体化参加の意思を書面で提出していただくこととしております。 来年2月の基本協定締結に向けて、引き続き、関係市町村と連携・協議をするとともに、市町村からの相談対応を充実していきたいと思います。重要な時期を迎えていると思っております。 ご質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 21番田中惟允議員。 ◆21番(田中惟允) ご答弁、誠に丁寧に誠実にお答えいただきました。ありがとうございます。 まだまだこれから出発したばかり、軌道に乗って、もうあと路線がずっと、レールが続くという状況のところまでまだいっていない課題がたくさんあります。これらの課題は、やはりこれまでの推進力を発揮した荒井知事さんに、ぜひ進めていただきたいという強い気持ちを抱いているということだけお伝えいたしまして、質問を終わります。 以上です。ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 次に、23番山本進章議員に発言を許します。--23番山本進章議員。(拍手) ◆23番(山本進章) (登壇)議長のお許しを得ましたので、自民党倭を代表して質問させていただきます。 初めに、橿原市における畝傍山周辺エリアの整備について、2点、知事にお伺いします。 まず1点目は、スポーツ施設の整備についてです。 令和13年に奈良県で国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を開催することの意義について、これまで知事は、県民のスポーツ振興や健康増進とともに、地域の発展、とりわけ中南和・東部地域の振興につながるよう検討していく旨の発言をしてこられました。 振り返ると、昭和59年に本県でわかくさ国体が開催されました。当時、村会議員だった私も、地元である明日香村で実施されたソフトテニス競技にスタッフとしてお手伝いさせていただいておりました。 その2年前の昭和57年には、大規模な災害があり、県内各地で甚大な被害が発生しましたが、国民体育大会が本県で開催されたことにより、県民に勇気を与え、活気が出たように感じました。 このように、スポーツには地域を元気にする効果もあるとずっと思っていました。そんな中、令和2年8月に県と市が初めてスポーツ施設の整備について覚書を交わし、県と橿原市の公園の一体的整備について検討が進められた際には、県民の1人としても大いに期待しておりましたが、両者の考えがまとまらず、非常に残念でなりませんでした。 しかし、橿原市にスポーツ施設を整備することは、両大会や本県のスポーツの振興を図るという目的はもちろんのこと、地域の経済活性化や中南和の振興にもつながるという考えは県も橿原市も変わらず持っておられ、県では県立橿原公苑をどのように整備するか、橿原市も市の運動公園の在り方を検討されていたと聞いています。 その後、知事と橿原市長が会い、改めて県と橿原市とで検討してはどうかとなり、今年10月18日に、県と橿原市との間で、新たなスポーツ拠点施設整備の推進についての協議に関する覚書を締結されました。 覚書では、県立橿原公苑と市立橿原運動公園が、令和13年に開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の競技会場地としてだけではなく、県民の運動・スポーツの振興や健康増進、活性化につながる施設となるよう検討していくことなどが盛り込まれており、改めて期待するところであります。 また、大会をきっかけに畝傍山周辺エリアへ訪れる人が増えることで、自然豊かで美しい中南和・東部地域への誘客がより進められ、経済の発展につながるものと考えると、この橿原の地で整備されることは大変喜ばしいことであります。 現在、県と橿原市との間で協議が進んでいると聞いておりますが、このような地域の振興につながる施設が橿原市にできることを市民の皆さんも大変期待され、どのような施設ができるのか楽しみにしておられることでしょう。 そして、ぜひとも国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開会式や複数の競技を橿原市で行うことも検討していただきたいと考えています。それが中南和・東部地域の今後の発展や、奈良県全体にとっても大変意義があると私も考えており、今後も応援していきたいと思っています。 前回、9月議会において知事は、奈良県の実情を見据えたスポーツ施設の整備を進めていくことは大変重要で、大規模な施設の整備は県の役割であると述べられました。また、橿原市と協議を進めていく中で、当面、この事業で必要と思われる予算も9月補正予算で計上されました。スポーツ施設の整備を検討されている畝傍山周辺エリアは、県立橿原考古学研究所や附属博物館、橿原神宮など歴史や文化を感じられるすばらしい環境にあります。加えて、県立医科大学についても、現在、新キャンパスが整備中で、現在の県立医科大学南側では新駅の誘致なども進められており、これらとともに新たなスポーツ拠点施設がどのような内容で整備されていくのか、大変期待を膨らませているところです。 そこで知事にお伺いします。 畝傍山周辺エリアにおけるスポーツ施設の整備について、どのように考えておられるのか、お聞かせください。 2点目に、県立医科大学周辺におけるまちづくりについてお伺いします。 県では、県立医科大学の新キャンパスの整備や医科大学周辺のまちづくりを進められています。このプロジェクトは、県立医科大学の教育・研究部門を約1キロメートル南西の旧農業研究開発センター敷地周辺に移転し、移転後の現キャンパスにおいて、新たな外来棟など附属病院施設の再整備を行うとともに、さらに附属病院の南側地区に新駅を誘致し、まちづくりを進めるという、大変スケールの大きなプロジェクトであります。 現在、新キャンパスの造成工事が着々と進められており、建築工事にも着手されたと伺っています。また、橿原市による周辺地域から新キャンパスへのアクセス道路の整備も進んでおり、昨年5月には、その一部について供用が開始されたところです。 このように、新キャンパスの整備が進んでいく一方で、附属病院南側地区のまちづくりについては、これまで具体的な進捗が見えてきませんでした。 その最も大きな要因は、まちづくりの核となる新駅の誘致について、八木西口駅の存廃という大きな課題があり、近畿日本鉄道株式会社をはじめとする関係者との協議は停滞していたことにあります。 そのような中、今年7月に開催された近畿日本鉄道株式会社の運賃改定申請に関する公聴会での知事の公述に対して、近畿日本鉄道株式会社から、新駅設置の協議について、八木西口駅の廃止を条件としないという回答があったとの報道がありました。 また、先月29日には、奈良県、県立医科大学、橿原市、近畿日本鉄道株式会社の4者で、まちづくりに関する連携協定を締結されたと聞いています。 今回、近畿日本鉄道株式会社が従来の方針を変更され、まちづくりに関する連携協定を締結できたことで、今後、新駅の誘致をはじめとするまちづくりの協議が大きく前進するものと歓迎しているところです。 県立医科大学は、県内唯一の医育機関であるとともに、県内医療を支える基幹病院です。このプロジェクトは、橿原市のみならず、周辺市町村の発展に大いに資するものであり、これまでも橿原市・高市郡選挙区の議員をはじめ、本会議でも何度も取り上げてきました。 中でも、新駅については、新キャンパスの整備においても、また、附属病院南側地区のまちづくりにおいても、欠くことのできない重要な施設であり、ぜひとも誘致を実現していただきたいと考えています。 そこ知事にお伺いします。 県立医科大学周辺のまちづくりについて、新駅の誘致をはじめ、今後、どのように進めていかれるのでしょうか。 次に、奈良県フォレスターについてお伺いします。 奈良県は、森林面積については27万ヘクタールで、全国平均の37万ヘクタールよりも少なく、全国28位となっていますが、県南部・東部地域を中心に人工林が多く、民有林に占める人工林の割合は、全国平均の46%を超える62%で、全国6位となっています。 しかしながら、その人工林において、住宅建築様式の変化による高級材需要の減少や輸入木材の増加、木材価格の低迷等により、間伐材の保育面積が減少した結果、奈良県の木材生産額は昭和50年度の約328億円から令和2年度には約15億円まで減少しています。 その結果、森林施業が放置された、いわゆる施業放置林が増加すると同時に、奈良県の林業従事者が昭和50年の国勢調査での5,371人から、令和2年の国勢調査で814人に減少しており、県南部・東部地域の市町村では、森林整備に必要な人材が不足する状況となってきています。 このような状況の中、奈良県では、令和2年4月に奈良県森林環境の維持向上により森林と人との恒久的な共生を図る条例を、令和3年4月には森林環境の維持向上及び県産材の利用促進に関する指針を施行し、4種類に区分した森林、恒続林、適正人工林、自然林、天然林において、森林の4機能、防災、森林資源生産、生物多様性保全、レクリエーションを高度に発揮させることを目的とした、新たな森林環境管理制度の構築に取り組んでおられます。 また、昨年4月に開校した奈良県フォレスターアカデミーは、新たな森林環境管理制度を担う人材の養成機関として、専門的な知識と技術を持った森林の総合プロデューサーを養成するフォレスター学科と、高いレベルの技術を学び、実践に生かせる即戦力の作業員を養成する森林作業員学科において、現地実習を中心に森林に関する高度な専門知識と幅広い能力の教育を行っていると聞いています。 特に、奈良県が構築を進めている、新たな森林環境管理制度を担う中核的な人材とされている奈良県フォレスターについては、全国初の取組として、県職員として採用した者をフォレスターアカデミーにおいて2年間の専門教育を受けさせた上で、市町村に配置することとされています。 奈良県フォレスターとなる県職員は、採用試験において多くの応募者の中から採用されたと聞いており、採用試験時の選抜と奈良県フォレスターアカデミーでの教育が相乗効果となって、より優秀な人材が養成されるのではと期待しているところです。 この奈良県フォレスターについて、市町村の森林環境管理を進める人材として、来年4月以降、市町村に配置するにあたり、具体的にどのような立場で、どのような業務を行っていくのかなど、市町村や森林組合をはじめ、林業関係者の関心も高まっているところです。 そこで知事にお伺いします。 令和5年度より市町村へ配置予定の奈良県フォレスターについて、どのような役割を期待しているのでしょうか。 次に、ムジークフェストならの今後の展開について、知事にお伺いします。 9月の本会議において、音楽による文化振興についての質疑がありましたが、知事は、現在行っている様々な取組を充実させていくという答弁をされていました。 例えば、ハード面では、「音にこだわる」をコンセプトにリニューアルの実施設計を進めている奈良県文化会館の改修や、ソフト面では、春の音楽祭であるムジークフェストならや、県内外の多くの方々がその演奏を楽しみにされているという県立ジュニアオーケストラの運営、またピアニスト反田恭平さんが代表を務めるジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社(JNO)と奈良県との連携協定に基づく、未来の演奏家を育てる取組などを挙げられました。 余談となりますが、先月11月16日には、反田恭平さんとJNOによる「題名のない音楽会」の公開収録が奈良県文化会館で実施され、大変好評であったと聞きました。連携協定が縁になって、この公開収録が実現したとのことであり、大変喜ばしく思っています。 さて、音楽の振興の取組の中でも、とりわけその中心となってきたのは、今年度10回目を迎えたムジークフェストならではないでしょうか。 2012年の開始当初は、奈良市内を中心に、開催期間は10日間程度、公演数は80公演弱、来場者数は約3万8,000人と小規模なものでしたが、今や、開催期間は20日間を超え、ピーク時には、公演数は300公演余り、来場者数は約13万人を数えるほどの大規模な音楽祭に成長しました。特に、4回目の開催となった2015年には、中南和地域に開催エリアを広げ、来場者数は初めて10万人を突破するなど、大きな成長を遂げました。 私の地元である橿原市・高市郡においても、橿原文化会館をはじめ、高取町の壷阪寺、明日香村の岡寺などでもムジークフェストならのコンサートが行われていると聞いています。 ここ数年は、長引くコロナ禍の中、2020年はあいにく中止となりましたが、音楽を皆さんにお届けする方法を構築され、模索され、その翌年からは新たに動画配信を導入し、無観客公演を実施されました。 いろいろな試みを経て、今年度、3年ぶりの有観客開催につなげていただき、東大寺大仏殿におけるオープニングコンサートをはじめとして、世界遺産社寺である興福寺と金峯山寺では第10回記念公演を、奈良県コンベンションセンターのホールでは、気軽に安価に様々な時間帯で楽しめるコンサートや、天平広場では、音楽と食が楽しめるイベント「プロースト!ムジーク」の実施など、多彩な企画を実現されました。動画配信も引き続き実施されたということですので、多くの方々にムジークフェストならの音楽が届いたのではと思います。 来年度以降も、当音楽祭が音楽を通じた文化振興の中心的な取組として長く続いていくことを期待しています。 そこで、知事にお伺いをします。 今年度、10回目を迎えたムジークフェストならの今後の展開について、どのように考えているのでしょうか。 最後に、通学路の安全確保について、教育長にお伺いします。 通学路の安全確保については、平成24年4月に京都府の亀岡市で発生した、児童とその保護者が犠牲となった交通事故を契機に、文部科学省、国土交通省、警察庁が連携し、全国の小学校を対象に、通学路の緊急合同点検による対策必要箇所の抽出、安全対策の検討及び実施の要請がなされました。 これを受け、奈良県では、奈良県通学路等安全対策推進会議を発足するとともに、市町村を対象に緊急合同点検の説明会を開催し、学校関係者が抽出した対策必要箇所について、道路管理者、学校、教育委員会及び警察で緊急合同点検を実施し、必要な対策内容について、関係機関で協議の上、対策必要箇所の解消に努めるとともに、平成25年度以降は、各市町村が策定した交通安全プログラムに基づき、関係機関が連携して、児童生徒が安全に通学できるように、通学路の安全確保を継続して図っていただいていると伺っています。 また、平成30年5月に新潟県で下校中の児童が殺害され、遺体を遺棄するという痛ましい事件が発生し、これを機に内閣府により、登下校防犯プランが策定されました。その中で、地域の連携の場の構築により、地域ぐるみで子どもの安全を守る体制づくりが進められてきました。 さらに、平成30年6月には、子どもの通学時間帯に、大阪北部を震源とした地震が発生し、ブロック塀の倒壊により児童が圧死するという痛ましい事故が発生しました。これを受け、奈良県では、防災の観点で通学路一斉点検を実施し、落ちてきそうなもの、倒れてきそうなもの、移動してきそうなものがないか、また通学時間帯に災害が発生した際の避難行動や避難場所等について確認をしたと聞いています。 これ以降、通学路の安全確保に関しては、これまでの交通安全の観点だけではなく、防犯や防災の観点を加えた総合的な観点から、安全に関する対策を実施することが求められています。 その結果、県内では、より安全な経路への変更を含め、交差点へ見守りボランティアの配置、路側帯や交差点のカラー化やガードパイプの設置など、ハード及びソフトの両面からの対策が進んでいるのを見かけるようになりました。 しかし、残念なことに、令和元年5月には、滋賀県大津市において、右折車と直進車が衝突し、直進車が歩道にいた園児らの列に突っ込み、散歩中の園児と保育士が死傷する痛ましい事故が発生しました。 また、令和3年6月には、千葉県八街市において、登下校中の児童の列にトラックが突っ込み、児童5名が死傷する痛ましい事故が発生しました。いずれの事故もドライバー側に問題となる行動があったとはいえ、私たちの宝である子どもの大切な命が奪われるという、あってはならないことが起こっています。このような事故が奈良県においても発生するかもしれないと考えると、心配でなりません。 国は、全国の小学校の通学路を対象とし、見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など、車の速度が上がりやすい箇所、大型車の進入が多い箇所、過去に事故に至らなくてもヒヤリハット事例がある箇所、保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所という、新たな観点を加えた緊急合同点検を実施し、その結果、奈良県においても、1,334か所の対策必要箇所が明らかになったと報道がありました。 そこで教育長にお伺いします。 県では、通学路の緊急合同点検により明らかとなった対策必要箇所に対し、新しい推進体制のもとで対策に取り組んでいると聞いていますが、どの程度進んだのでしょうか。また、今後どのように進めていくのでしょうか。お伺いします。 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)23番山本進章議員のご質問がございました。お答え申し上げます。 最初のご質問でございますが、畝傍山周辺エリアにおけるスポーツ施設の整備についてのご質問でございます。 本県のスポーツ施設の整備につきましては、令和13年の本県での国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催、本県の施設の現状、地域の振興の必要性などを十分に見据え、必要な整備を進めていきたいと考えております。 この観点に立って、これまでおよそ3年間にわたり、橿原市エリアを対象に検討してきたスポーツ施設の整備構想は、スポーツ振興はもとより、地域の活性化、中南和の振興につながるものと考えてきておりました。そして、今年10月には、改めて県立橿原公苑と橿原市立橿原運動公園の一部を活用した新たなスポーツ拠点の整備について、橿原市との協議を進めるための覚書を締結できたところでございます。 この協議におきましては、まず、第1種陸上競技場や多機能複合型のアリーナなど、大規模な施設の整備は、県の役割であるとの考え方を共有いたしました。両種とも奈良県にはないスポーツ施設でございます。その上で、県は橿原市立橿原運動公園の北側部分を取得し、第1種陸上競技場と、サブトラックとして第3種陸上競技場を新たに設置する方針に至りました。 一方、県立橿原公苑は、現在、野球場や体育館などのスポーツ施設のほか、周辺には緑豊かな遊歩道や橿原神宮、県立橿原考古学研究所、また附属博物館などが共存しているエリアでございます。このエリアは、既に文化とスポーツが調和している地域であり、スポーツだけではなく、様々な文化イベントなどにも活用できる、多機能複合型アリーナの整備がふさわしいのではないかと考えております。陸上競技場やアリーナの規模等については、県・市、それぞれの議会や関係機関のご意見も伺いながら検討してまいります。 今後、これらの方針を具体化し、畝傍山周辺エリアを日常的に人が集い、にぎわい、憩いの場となり、県民の皆様に喜んで利用していただける場所として整備していく考えでございます。引き続き、橿原市とともにしっかりと検討を進め、今年度中にはスポーツ施設に関する基本計画をまとめたいと考えております。 県立医科大学周辺のまちづくりについて、新駅の誘致をはじめとする整備の方針についての質問がございました。 県立医科大学周辺のまちづくりにつきましては、これまで、新駅の設置に関しまして、山本議員お述べのとおり、近畿日本鉄道株式会社からは八木西口駅との併設ではなく、同駅の移設が前提であるとの方針が示されておりました。一方で、橿原市は、八木西口駅をただちに廃止することは困難であるとして、計画づくりが難航してきたところでございます。 このような中、山本議員お述べのように、今年7月14日に開かれた運賃改定申請に関する公聴会で私が公述いたしましたところ、7月19日、近畿日本鉄道株式会社から、八木西口駅の廃止を条件とせず、費用負担、運営方法等に関して協議したいとの回答がございました。大きな転換でございます。 これを契機として、協議を進めた結果、先日11月29日に、新駅の設置をはじめ、まちづくりに関する取組を一層推進していくため、奈良県、県立医科大学、橿原市、近畿日本鉄道株式会社の4者で連携協定を締結することができました。 協定の具体的な内容についてでございますが、まず、新駅の設置について、八木西口駅の廃止を条件とせず、費用負担を含む基本事項の令和5年度中の合意を目指し、協議を進めることといたしました。 また、新駅から県立医科大学附属病院へのアクセスにつきましては、整備を予定している新外来棟を新駅に最も近い、現キャンパスの南側に設置することとして検討を進めてまいりたいと思っております。 さらに、公的施設の整備や民間施設の誘致など、4者でこの地区のまちづくりを具体的に検討していくこととしております。 今後、今回締結した連携協定に基づき、関係者との協議を着実に進め、新駅設置によるにぎわいと、県立医科大学隣接の利点を生かした健康増進のまちづくりを、早期に実現したいと考えております。 市町村への配置予定の奈良県フォレスターについて、どのような役割、責務を期待しているのかという質問がございました。 本県では、平成27年4月のスイス・ベルン州との友好提携協定を契機として、令和2年3月の奈良県森林環境の維持向上により森林と人との恒久的な共生を図る条例の制定や、フォレスターアカデミーの開校など、本県独自の新たな森林環境管理制度の構築を積極的に進めているところでございます。 この制度を推進するため、フォレスターアカデミーで奈良県フォレスターを養成し、来年度から市町村への配置をスタートいたします。奈良県フォレスターを同一市町村に長期間配置し、フォレスターアカデミーで習得した知識と技能を基に、各市町村における森林環境の維持向上を図る専門職員として活躍することを期待しています。 来年度はフォレスターアカデミーを卒業する7名の県職員を初めて市町村に1名ずつ配置することとしています。既にこの数を超える市町村からの配置の要望を受けており、令和6年度以降の配置も含め、現在調整を行っているところでございます。 奈良県フォレスターが従事する主な業務は2つございます。 1つ目でございますが、県が市町村から受託する業務でございます。森林法に基づき提出される伐採届について、現地調査、審査・指導、伐採後の造林の確認等を行うことでございます。 2つ目は、適正な森林への誘導を図るため、長期的な視点に立った森林づくりの構想の作成や、森林の所有境界の明確化、施業計画の作成等により、間伐や恒続林整備等を計画的に推進することでございます。 この奈良県フォレスターの配置をはじめとして、今後も、県と市町村が連携して、森林の4機能と呼んでおります、防災、森林資源生産、生物多様性保全、レクリエーションを高度に発揮させる、本県独自の森林環境管理の取組を着実に進めたいと考えております。 ムジークフェストならの今後の展開についてのご質問がございました。 「音楽で、奈良を元気に!」との思いを込めて始めたムジークフェストならでございますが、今年10年目を迎えることができました。春の風物詩として定着してきたように思います。そして、この間に認識を新たにしたことや、気づきが幾つかございました。 主なものを申し上げますと、音楽には様々な力があるということでございます。音楽には、人々の心を慰めたり励ましたりする力、人を元気や健康にする力がございます。また、生活に潤いを与えてくれます。街をにぎわせる力もございます。 いま一つは、奈良と音楽のイベントは非常に相性がよいということでございます。ムジークフェストならは、奈良県文化会館などのホールだけでなく、世界遺産の社寺や自然豊かな奈良公園、駅前の広場など様々な場所で開催してきました。奈良ならではの空間に音楽は溶け込み、大変好評いただいてまいりました。 このような音楽の持つ力や、奈良と音楽との相性のよさを、奈良の四季の伝統行事や、一年を通じた美しい自然の移ろいの中で生かすことができれば、奈良の魅力がさらに向上し、県民の皆様と奈良を訪れる方が、さらに心豊かに奈良で過ごしていただけるようになると考えたところでございます。 そこで来年度は、これまでの春のムジークフェストならの実施に加えまして、年間を通じ、ムジークフェストならを開催したいと考えております。四季のムジークフェストならでございますが、四季それぞれに応じたテーマを立て、それに合う実行委員会主催の音楽イベントを検討しています。また、民間などが行っている音楽の催しも、ムジークフェストならの連携イベントとして参加していただけるように広く呼びかけ、音楽祭を一層盛り上げていきたいと考えております。 先般、開催いたしました実行委員会に、この内容についてご提案し、委員の皆様に賛同していただいたところでございます。 来年度は、四季を通じ、街中が音楽であふれる奈良県を目指し、新しい形のムジークフェストならをお楽しみいただきたいと思っております。 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)23番山本議員のご質問にお答えいたします。 私には、通学路の安全確保について、新しい推進体制のもとでの進捗状況と今後の取組についてお尋ねでございます。 昨年6月に千葉県八街市で発生した下校中の小学生の交通事故を受け、本県においても、教育委員会、道路管理者、及び地元警察署と合同で通学路等の一斉点検を実施いたしました。その結果を踏まえ、安全確保に迅速に対応し、対策が円滑に進むよう、県では昨年10月に知事を議長とする新しい推進体制、奈良県通学路等安全対策推進会議を設け、市町村より報告された1,334か所の安全対策に現在取り組んでおります。 令和3年度末時点では、この報告箇所のうち632か所、約50%に当たりますけれども、その対策が完了し、今年度は引き続き、残りの箇所の安全確保に取り組んでおります。併せて、平成29年から昨年度までの5年間に県内で発生した小学生の通学時の交通事故を分析いたしました。その結果、信号や横断歩道のあるなしにかかわらず、その多くが交差点を横断中に発生していることが明らかとなっております。 このことから、今後の奈良県における通学路の安全対策についての重点課題を交差点対策に定め、ハード及びソフトの両面から安全確保に取り組んでいくこととし、この11月29日に開催いたしました、令和4年度第1回奈良県通学路等安全対策推進会議において、全市町村との共通理解を図ったところでございます。 また、同推進会議におきましては、安全対策の参考となる、奈良県通学路等安全対策推進の手引き、また安全教育を推進するためのヒヤリハットなどを掲載した、通学路デジタルマップの活用についても併せて提案いたしました。 特に、デジタルマップの利用には、市町村におきまして、GIS、地理情報システムの導入が必要となるため、今後、GISに関する勉強会を予定いたしております。 今年度からは、すべての市町村において、首長を中心とした新しい推進体制が設置をされております。通学路の安全性を高め、交通事故をなくすためには、市町村と県が協力し、通学路の対策事例や困難事例を分類しながら、総合的な対策を講じる必要がございます。そのため、県教育委員会が同推進会議の事務局として、引き続きマネジメント機能を発揮してまいります。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(西川均) 23番山本進章議員。 ◆23番(山本進章) 答弁ありがとうございました。時間は少し残っておりますけれども、今回のこの質問項目は、来年度の予算に何らかの形で計上していただけるものと思っております。来年2月の予算書を拝見させていただいた上で、また私も予算委員会に入る予定を来年度させていただいておりますので、その場でまた今回の項目について議論をさせていただくことを申し上げて、今回は質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。   -------------------------------- ○副議長(西川均) 5番山中益敏議員。 ◆5番(山中益敏) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○副議長(西川均) お諮りします。5番山中益敏議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○副議長(西川均) それでは、さように決し、明12月7日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後3時59分散会...